今回はゼンマイのお話をしようと思います。

機械式時計ファンの方々はその動力源であるゼンマイについては並々ならぬ関心があることと思います。
今回はそのゼンマイの姿を丸裸にしようと思います。

日ごろ愛用している機械式時計が急に動かなくなった!リューズを巻くときの程良い重みがなくなった!
そんな経験をお持ちの方もいらっしゃるかと思います。
そんなときにもっとも疑わしいのが恐怖のゼンマイ切れというやつです。
あの悪名高いゼンマイ切れです。

これは文字通り動力源であるゼンマイが何かしらの理由で切れてしまい、
時計が止まるというとても悲しい出来事です。

実際の事故例をお見せしましょう。

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↑これはロレックスのメンズデイトジャスト等に入っているCal.3135という機械のゼンマイです。

とても力強く渦を巻いていますね。
この滑らかで整った曲線がロレックスの安定した持続時間と精度を生み出しているのです。

このゼンマイが悲しくも切れてしまうと・・・

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無残にもこのような姿になってしまうのです↑

愕然とするしかありません。

少しわかりにくいですが、巻き始め部分近くから千切れてしまっています。
赤丸で囲んだ部分が、切れて分離した、巻き始め部分です。これで時計は完全に停止してしまうのです。

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理由はいくつかあるのですが、大きな原因としてはやはりゼンマイ自体の金属疲労が考えられます。
これを防ぐにはやはり定期的OHをし、その都度ゼンマイを交換するのがおすすめです。
これでほぼゼンマイ切れの恐怖からは逃れられますが、まれにゼンマイ自体の不良、
乱暴なリューズ巻き上げ等によっても起こることがあります。

なんにせよ、定期的なメンテナンスをすることでゼンマイ切れの多くは防げますので、
愛用している機械式時計のOHは忘れずに行うことをおすすめ致します。