アンティークのロレックス好きにはおなじみの「ハック機能」とは?
時計好きな方、もしくはアンティークのロレックス好きな方にはおなじみのこの言葉、
“ハック機能“についてお話ししたいと思います。
分かりやすくいうと、リューズを引くと秒針が停止する機能のことです。
語源は戦時中、兵士たちが互いの時計の時刻を合わせるときに「ハック!」というかけ声で時計を合わせたことに由来するようです。
以前もお話しした話題ですが、意外にその仕組みは時計初心者の方には浸透していないようですので、前回とは違う機械でご説明しましょう。
まずはロレックス。
これはCal.2235という機械で、現行のレディースデイトジャスト等に入っている機械です。
写真中央に見える金色のパーツが秒停止の役割を担う「秒停止レバー」というパーツです。
取り外すとこのような形をしています。
このパーツはリューズの引き出しに関わるオシドリというパーツのピンにはまるようにして組み込まれ、オシドリの動きに連動して出たり引っ込んだりします。
リューズを引くとオシドリが動き、そのピンにはまっている秒停止レバーも動きます。そしてこの秒停止レバーが出たときに時計の心臓部であるテンプの外周に接触してその動きを止める、といった具合です。
次にオメガをはじめ様々なブランドの時計に入っているETA2892という機械です。
これはロレックスとは違い、秒停止レバーの一端がツヅミ車という車の溝にはまります。
ツヅミ車もリューズを引き出すとそれに連動してスライドするので、同時に秒停止レバーも出たり引っ込んだりするわけです。
一見複雑な機構の上に成り立っているように感じるハック機能ですが、蓋を開けてみると案外単純な機構なことがわかりますね。
これを機会にもっと気軽にハック機能という言葉を使ってみてはいかがでしょうか。