こんにちは!
先日、とある知人から十数年振りに時計を買い換えたいと相談されました。今身につけているのはロレックス デイトジャスト。時間が顕著に遅れ…日付が切り替わらなくなってしまい…更に話を聞いたところ…………もう10年以上OH(オーバーホール)やメンテナンスもしていないとの事‥。(ふとパーツ代が心配になりました。)

修理を生業としていると、3~5年毎のOHは当然の事のように思ってしまいがちですが、実際はこのような不具合が出て初めて持ち込まれる方も少なくありません。
では分解の際は、内部はどのような状態なのでしょうか?ロレックスの様々なパーツで見比べていきましょう。

ロレックスのパーツの画像

3種のパーツを、新品のものと並べて置いてみました。
左上から3135の香箱、右上は2135の2番車、下には破損したYGのバネ棒。

ロレックスのパーツの画像

爪の上でガンギ車を転がすと、歯先に黒い汚れが…内部の汚れと言っても様々あります。
油が劣化し固まる事で、パーツが磨耗し、汚れが溜まった状態。湿気が入って、錆や曇りが定着した状態などなど…。
特にロレックスは5年以上使っていても、時間が狂ったり不具合が感じられない事も多いため、ついつい使い続けてしまうんですね。

もしパーツ交換が必要になると、OH+αの料金がかかってしまいます。表面上は綺麗でも、内部は大変な事態になっている場合も…。ちなみに上図のYGバネ棒などは、交換すると、かなり費用がかかります。

ロレックスのパーツの画像

洗浄してピカピカに(ROLEX cal.2135の場合)

ロレックスの画像

時計といっても、使い方は人それぞれ。大体の目安としては、機械式は3年~5年、クオーツ式の場合は2度目の電池交換時にOHを考えてもよいのかなと思います。

分解、洗浄、注油を経て、また時計が元気になれば、買い換えなくても 愛着を持って末長く使い続けられるかもしれませんね