みなさん、こんにちは。
研磨室のKです。只今の東京都新宿付近では………雷様が怒っております。そんな中、腕時計の傷や色がくすんでいるのにお気づきの方もいらっしゃるのでは。銀蔵時計工房では、そんな時計の傷や汚れを取る職人磨き仕上げ職人がいます。
その磨き仕上げ職人の仕事を簡単に紹介します。

題して………
「シリーズ・研磨室の日々」
仕上は大まかに
【1】ポリッシュ仕上げ(傷を取りながら光らせる)
【2】ヘアライン仕上げ
【3】洗浄、乾燥
といった3つの工程があります。

今回は、シリーズ第1弾
【ポリッシュ仕上げ(傷を取りながら光らせる)】をROLEXのレディースケースを例にお話しますね。

では、まずこちらですが

ポリッシュの画像

作業前のケースです。

ポリッシュの画像

普段使いにされていたようで、なかなかたくさん傷がついています。これをお馴染みの

ポリッシュの画像

研磨用のバフモーターと研磨剤を使って傷を取っていきます。

ポリッシュの画像

キズをとる、もしくはキズを消す、といった表現をしますが、実際はキズの深さまで周りの金属を「削り取り」、まわりを均一な面にするといった作業になります。「削り取る」といっても、擦り傷や小傷程度なら10ミクロン(0.01ミリ)以下、比較的大きな傷でも100ミクロン(0.1ミリ)以下ですので、肉眼でわかるほどの変化はありません
とはいえ、適当に作業すると面が均一にならずにデコボコになってしまいますので、慎重に作業します

ポリッシュ仕上げをすると…なんということでしょう。

ポリッシュの画像

面に顔が写りこむほどにきれいになりました。このような作業をこの様に

ポリッシュの画像

バラバラにして磨くことで微妙な隙間などの傷も取ることができるため、細部まで美しく仕上げることができます。これで『ポリッシュ仕上げ(傷を取りながら光らせる)』は完了です。同時進行で裏蓋やブレスレットなんかもキズ取りを行い、その間時計技術者がOHを行います。細かな作業と様々な工程をクリアし、初めて商品として出せる時計に生まれ変わっていきます。

それでは、本日はこの辺で。