今回は機械式時計に使われている石についてのお話です。

石と言えば宝石。
ケースやブレスなど、高額時計では外装にダイヤモンドやサファイヤなどの宝石が使われていたりしますね。

実は機械式時計には中の時計機械にも宝石が使われていることをご存じでしょうか?
機械式時計好きな方にはもうお分かりですよね。

そう、その宝石とはルビーなのです。

001ピンク色に見える丸いものがルビーです。
時計好きな方のなかにはご存じの方も多いと思いますが、時計機械の歯車やテンプの軸が入る部分には摩耗を防ぐために人工ルビーが使われています。

軸は回転しているため、その軸と接する部分には多かれ少なかれ衝撃と摩擦が生まれます。
そこでその部分に耐摩擦性に優れた硬質なルビーが使われているわけです。

例えばロレックスの代表的な機械Cal.3135の自動巻きブロック(自動巻き機構を構成するパーツが集まった部分)の受け(プレート)の上部には「31JEWELS」と書かれています。

002これは人工ルビーが31石使われていることを意味します。自動巻きの時計のほうが手巻きの時計に比べて歯車の数が多いので、その分石も多く使われていることが多いです。

一般的に石数が多いほうが高級でグレードの高い時計とされていますが、国産の時計ではスイスの時計に対抗するためにむやみやたらに石数を増やしたモデルなんかも発売され、石数とはなんぞや?という疑問を抱かせる時代もあったようです。

最後にこれを知っていれば時計通、というウンチクをひとつ。

003これもロレックスのメンズのデイトジャストに搭載されているCal.3135という機械の自動巻きブロックです。

3つ並んで見える歯車のうち左右2つの赤い色をした歯車があります。

これは切替車といってローターがどちらの方向に回転してもその回転を一方向に変換して次の歯車へ伝達する優れものです。

そしてこの赤い色はなんとルビーの微粉末を蒸着させているための色なのです!
重要なパーツゆえに対摩擦性に対して万全の対策が為されていることが分かりますね。

それでは、また!